桜雪月蛍という偽書

太古、その地が国として統一されていなかった頃
とある女帝が有したとされる【夢見】という力。

長きに渡り歴史から途絶えし其の記録
平成る世まで継承すーー。

(桜雪月蛍の書より『桜花継承』)

月許国という歴史

桜雪月蛍の書

それは、桜の見せた泡沫の夢。


太古その地が国として統一されていなかった頃、一人の女帝がいた。
律令を整え、国の基礎を築いた皇子がいた。

そうして創られ遷された都は、やがて千年の歴史を刻むこととなるが
荒廃した貴族社会は二つの武家の台頭により終わりを告げる。

それは次なる統治者をめぐる
群雄割拠の戦国時代の始まりでもあった。

それから幾百の年を重ねた果てに、ようやく太平の世がもたらされる。

そうして初めて国中から争いが消え去ったことにより
多くの繁栄と恩恵が齎され、そんな平穏を長引かせるようにと
他国から齎されるかもしれない不穏な芽を摘むように外交を絶ちながらも
その国は、国として其の地にあり続けていた。

それでも時代は、留まることなく移り変わっていく。

突如、齎された条約に揺れた国は
攘夷派の主であった帝の崩御により次第に開国派へと傾いていき
また新たなる世を迎えることとなったーー。

時は明治、文明開花の折。

これは、ありえたかもしれない【文長八年】の
『安成の大獄』も『帝国大戦』も起こらなかった時間軸の物語。

(桜雪月蛍の書より『月許国という歴史』)

桜雪月蛍の書


国内事情

月許の国内事情

★ 都/ミヤコ
この記録が始まる土地。遷都後は『真穂/マホ』と呼ばれる。
★ 武蔵野/ムサシノ
かつての流刑地。のちの都で、古より月の名所として有名。
★ 日高見/ヒダカミ
かつてのサラシナ。蝦夷の美称だが武蔵野より北の意。
★ 日向/ヒュウガ
史実では別の土地を指すが、この記録では都より西の意。
★ 三岐/ミキ
壱岐だったが三つに分かれた、かつて秋津島があったとされる南の土地。

※ 全ては『月許という国』の記録です
『京・江戸・会津・長州・薩摩の周辺国』をイメージしてはおりますが
文字通り『月許という国』での『異聞録』ため、史実に忠実な作りでは全くありません。

※ 文長八年という時代について
『文長』は『安政』の別案です。以降、史実の元号は五度ほど改元していますが
『平成』が別案として上がっていた『慶応』までを記録する予定です。

国外事情

月許の国内事情


 月許 ツキモト 
極東の島国。元寇や、太閤・豊臣秀吉の「東国攻め」での経験を戒めるために、
この150年間あまり国を閉じていたが、花旗との同盟によって開かれた国。
 花旗 カキ 
近年に大陸が発見されてから、めざましい進化を遂げる国。いわゆるメリケン。
 煌 コウ 
かつて「匡」だった頃は、月許とも一時は同盟国だった東の大陸。
元寇や太閤・豊臣秀吉の「東国攻め」の経験から、次第に国交は途絶えてしまった。
今は幼い皇帝の代わりに実母の西太后が実権を握り、武照以来の女帝の再臨と言われている。
 アトラティア連合 
四王からなる連合国。かつての四王合意制の会議は廃れ、
今は、季節ごとの序列によって変わる四王の代表である【総督】が国を治めている。
 西洋列強 
西国。かつて治めていた帝国ラインバーグが滅亡してから長年戦争状態となったが、
そこから逃れるために起きた大航海時代がきっかけで、新大陸・花旗の発見に繋がる。


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